● 八ッ場”ムダなダム”から”緑の架け橋”へ / 八ッ場ダムへの提言

昨今話題の群馬県の八ッ場(やんば)ダム。何年か前にアイデアコンペが行われ、私自身何回か現地を訪れ、 自分なりのアイデアを応募した経緯がある。応募案は”緑の架け橋”というタイトルで、ダム壁面を立体庭園化し、ダム湖へと沈む樹木や史跡等、 人々の記憶に留めたい風景を移設する、というアイデアで、ダムができる事で緑の架け橋が渓谷に出現する、というものである。

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提案は大きなアイデアを示すもので段々畑状の立体庭園の形態には、 種々別案も考えられるし、細かなアイデアはドローイングに反映されてはいない。しかし、ダムという構築物を単に今までの機能(水利、発電等)以外に、 ダム壁面を利用した新たな用途(立体庭園)を賦与する事による可能性に注目して欲しい。ダム壁面を山の斜面と思えば、植林された森林風景も可能だろうし、 春の桜、秋の紅葉、棚田の風景、岩肌が露出していればロッククライミングのフィールド、断層があったとしたら滝が流れ落ち、沢登りの風景、 それらを眺める温泉露天風呂も可能であろう。 そこに出現する風景はダムという機能とのコーディネーションにより生まれる今までに無い新しいものであり、 かつ、ダムに沈む風景を未来に伝える懐かしい風景でもある。

”ムダなダム”が ”ムダなダム”である限り、建設に賛成する人、反対する人、いずれも納得できないように思う。 八ッ場”緑の架け橋”は両者が納得し得る可能性ではないだろうか。 ダムをダムとして捉えるのではなく、新種の構築物として捉える事、例えば 徹底的な人工地盤緑化・壁面緑化の実験場、エコロジー実践の場、学習とレクリエーションの場、そして何よりも八ッ場の過去と未来を繋ぐ架け橋として。

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